開館一周年記念事業「寛心茶会」―広い心でゆったりと、良寛のごとく―

開館一周年記念事業
「寛心茶会」
― 広い心でゆったりと、良寛のごとく ―

 4月13日より、きび美ミュージアムにて、良寛の玉島時代の書《芭蕉画賛》を初公開するにあたり、良寛ゆかりの地、玉島・円通寺に於いて座談会と共に「寛心茶会」を開催します。茶席は、かつて修行僧が起居し生活した衆寮であった建物、良寛も修行時代には起居したてあろう、茅葺屋根の佇まいがそのまま残る「良寛堂」です。その良寛堂で、ゆったりと寛いで、お濃茶とお薄茶の二種をお楽しみ頂けます。
 古くからお茶文化の栄えた玉島の老舗の和菓子と、良寛さんお好みの白雪糕を添えて。

 円通寺本堂で同時に開催されている座談会
(13時30分〜14時45分)も聴いて頂けます。

■開催日時:

2022年6月5日(日)
・寛心茶会:12:00-16:00
・座談会:13:30-14:45

■開催方式:

「会場参加」と「オンライン参加」によるハイブリッド方式
・会場 随時1席定員10名程度 計4時間
※会場参加は、開場中いつでもご入場いただけます。随時茶菓をお出しします。
※オンライン茶会の参加は「玉島菓子セット」を参加料として事前にご購入ください。
・座談会 会場参加限定20名+オンライン参加100名

■会場:

円通寺 岡山県倉敷市玉島柏島451
・茶会 良寛堂
・座談会 本堂

■参 加 料:

・会場参加 3,000円(税込み)
・オンライン茶会 3,000円(税込み)

■参加方法

  1. 会場参加
    当ホームページ上の「オンラインショップ」から「会場参加」を選択し、お申込みください。
  2. オンライン茶会
    当ホームページ上の「オンラインショップ」から「オンライン茶会」を選択し、円通寺御用達の会場で提供する茶菓と同じ「玉島茶菓セット」を参加料として「オンラインショップ」からご購入ください。
    3種類の茶菓セットからお選びください。開催日前に到着するよう事前にお送りします。
    ・商品送付時にZoom配信用のURLを記載した書類を同封致します。
    ・また、お申し込みの際頂いたメールアドレスにも同URLを送付します。

※送付物が届くよう、お申込みの様式には正確なご入力をお願いします。
※オンライン茶会をお申込みいただいた方は、オンラインショップの商品購入時にZoom配信・受講に関する情報をダウンロードしてください。
※「座談会」の聴講をご希望の方は、開催日の事前にイベント管理サイト「Peatix」から参加の申し込みをしてください。
※「Peatix」のご利用が初めての方は事前にアカウントの作成が必要となります。詳細はこちらからご覧ください。
※「Peatix」サイトで「チケット購入」を選択し、「枚数」を「1」でお申し込みください。
「Zoom」のご利用が初めての方は、事前にご自身の端末(PC、タブレット、スマートフォン)にインストールして受講環境を整えてください。
※本講座は録音・録画させていただきます。予めご了承ください。
※座談会の会場の座席数に限りがあり、定員になり次第締め切らせていただきます。

■申込締切        5月27日(金)

■イベント構成

  会場参加 オンライン茶会
12:00-16:00 於 円通寺内 良寛堂
常時入場可→着席→お茶とお菓子をお召し上がりください。
「玉島茶菓セット」を購入
※良寛堂の茶会の様子を常時ネット配信(YouTube)、ご視聴いただけます。

13:30-14:15

良寛座談会:於 本堂(45分)
・全国良寛会会長 小島正芳氏
・きび美ミュージアム館長 臼井洋輔
・きび美ミュージアム副館長 魚住和晃

14:1514:45

Q&A 会場とオンラインの参加者と対話・交流(30分)
座長:魚住和晃
※座談会をネット配信
※オンライン茶会に参加の場合はZoomから入室し、聴講してください。
14:15 閉会

■オンライン茶会「玉島茶菓セット」

「オンライン茶会」の参加料として「玉島菓子セット」をご購入ください。倉敷市玉島地区の老舗、3種類の茶菓セットの中からお好きなセットをお選びください。
(季節のお菓子は写真とは異なる品となりますのでご了承ください。)

玉島の茶文化

 岡山県倉敷市の西部に位置する玉島の地は、今から350年前に港が開かれ、岡山県三大河川の一つである高梁川の河口右岸に発達した商港は、高瀬舟による河川水運と北前船、瀬戸内海の廻船による全国市場の結節点として交易によって大発展をなし、古来より高梁川流域の物資集散地として、江戸期より岡山を凌ぐ賑わいを見せ、栄えた湊町です。
 商人たちの交流の場として利用されていた茶室の数は、全盛期には400を数え、その数は玉島の繁栄と文化の高さを表しています。現在も玉島地区の旧家には約40の往時の茶室が残っています。
玉島に茶の湯が伝えられたことが明確にわかるのは、今から300年遡る享保・元文の頃で、京都の宗匠初代紙張庵義牧が、長尾・玉島を毎年訪れて指導し、薮内流の茶の湯が分限者の間に広まりました。
 良寛が円通寺で修業を積むのは、眼下の問屋街が繁栄を続ける、まさにその頃でした。
 薮内流家元との結び付きが格別強い玉島。その名だたる数寄者の中でも萱谷竹芝が、家元の燕庵にて八代眞々斎竹猗を客とし、主人役を務めたのは特筆にあたります。その萱谷竹芝と深く交流のある三宅米翁、柚木竹叟との三茶人が家元より数寄茶人として最高位の「皆伝」を伝授されました。
 茶の湯は明治になると、それまでの小寄から大寄茶会が行われるようになり、明治11年、薮内流十世竹翠が北野神社献茶祭を行い、北野大茶湯を再興します。この時に使われていた茶道具三点が玉島に寄贈されています。
 玉島における大寄茶会は、昭和24年から「良寛茶会」が円通寺で行われており、県下四大茶会の一つとして現在も毎年開催され、茶道を愛する人々により「玉島の茶文化」が今日に伝えられています。大茶会の双璧は、東京の大師会と京都の光悦会でありますが、良寛茶会はその質の高さゆえ、道具商から西の光悦会とまで言われたほどです。
 古くから栄えた「茶の湯」の文化は、茶の湯に欠かせない菓子の需要の増加によって和菓子の発展をもたらし、和菓子は徐々に庶民の生活に浸透して親しまれるようになります。老舗の菓子匠が手掛ける伝統的な和菓子から長い歴史と文化故の奥深さを感じる新たに生まれたスイーツまで、現在も日常の暮らしの中に息づいています。
「寛心茶会」には玉島地区の老舗3社、それぞれの良寛にまつわるお菓子のセットをご用意しました。

■座談会登壇者

【小島 正芳(こじま まさよし)】
全国良寛会会長。1951年新潟県生まれ。新潟大学書道科卒業。新潟県の高等学校に勤務し、2012年新潟県立三条高等学校長を最後に定年退職。著書に『良寛の書の世界』(恒文社)『良寛のふるさと』『良寛と會津八一』(いずれも新潟日報事業社)『良寛遺墨集-その人と書』『続良寛遺墨集-その名筆とゆかりの人々』(いずれも淡交社)『若き良寛の肖像』『良寛-その人と書〈五合庵時代〉』『良寛一人と書芸術の完成』(いずれも考古堂書店)、図録執筆『良寛没後百五十年展』(1980)『生誕二百三十年記念展』(1988)『良寛没後百七十年展』(2000)『良寛没後百九十年展』(2020)など。

【臼井 洋輔(うすい ようすけ)】きび美随想へ
きび美ミュージアム館長。1942年 岡山県玉野市生まれ。岡山大学法文学部卒業。同大学院博士課程修了。岡山大学文学博士。岡山県立博物館学芸員、岡山県教育庁文化課課長代理、岡山県立博物館副館長を経て2013年まで吉備国際大学文化財学部教授。この間、同大学文化財総合研究センター長、同大学図書館館長、岡山大学・福山大学・岡山県立大学・倉敷芸術科学大学等の非常勤講師を歴任。日本考古学協会会員。現在、備前市立備前焼ミュージアム館長。2019年「聖良寛文学賞」および「文化庁令和3年度地域文化功労者表彰」受賞。著書に『時代の変転が工芸に及ぼす影響についての研究』(岡山大学博士課程学位論文)、『バタン漂流記』(叢文社)、『一遍上聖絵・福岡市の市解析』(文化財情報学第7巻 吉備国際大学文化財総合研究センター)、『岡山の文化財』(文化財イソップ物語 吉備人出版)など。

【魚住 和晃(うおずみ かずあき)】きび美随想へ
きび美ミュージアム副館長。1946年 三重県生まれ。東京教育大学芸術学科卒業、同大学院教育学研究科修士課程修了。神戸大学文学博士。神戸大学国際文化学部教授、同大学院総合人間科学研究科教授を経て、2010年定年退任。神戸大学名誉教授、天津大学客員教授、安田女子大学客員教授、中国西冷印社名誉社員、書家。主著に『書道史 謎解き三十話』(岩波書店)、『書聖王義之<その謎を解く>』(岩波現代文庫)、主編著に『まんが 書の歴史』全三冊(講談社)など。

■留意点

新型コロナウィルスの感染拡大状況やその他の事情により開催内容が変更になる場合があります。その際は、本ホームページ上でご案内します。予めご了承ください。

■その他(オプション)

同時開催 講演会「良寛探訪」
・講演① 全国良寛会会長    小島正芳氏
・講演② きび美ミュージアム副館長 魚住和晃

■お問い合わせ・申し込み先

きび美ミュージアム
〒710-0046 岡山県倉敷市中央1丁目4-22
「くらしき宵待ち GARDEN」内
TEL:086-425-8080 FAX:086-425-8181

一般財団法人 倉敷山田コレクション(事務局)
〒710-0055 岡山県倉敷市阿知2丁目 9-3
TEL/FAX:086-434-3232
MAIL:info@kibibi.or.jp