きび美について

きび美ミュージアムは、2015 年にオープンした《くらしき宵待ち GARDEN》内に、その第二期事業としてこのたび開設された新しいスタイルの文化施設です。白壁映える町家風のミュージアムでの心躍る知的探検に加え、美観地区では珍しい風そよぐ「竹林散策庭園」の景観、また庭園に臨む茶室やカフェでのおもてなしにより、国内外から来訪される皆様に上質な憩いの場を提供いたします。

~本事業は、倉敷市の中心市街地活性化基本計画「倉敷美観地区新魅力集客拠点創出事業」の第一弾です~

Concept – 館のコンセプト

吉備と出会う 吉備に恋する

 古代より悠久の歴史が流れる「吉備(きびの)(くに)」。
 その郷土ゆかりの先人たちが遺したさまざまな文化財は、優れた技や知恵、美意識や世界観を今に伝えます。
 時空を超えたその出会いは恋にも似て、心ふるえるとても贅沢な体験となるでしょう。
 気持ちが塞がれるような時も、吉備の文化の風に吹かれ、心潤す憩いのひとときをお過ごしください。
 また、教養講座の開催や地域の創作活動の支援を行い、郷土の文化振興に微力ながら貢献したいと考えておりますので、どうぞふるってご参加、ご活用ください。

Theme – 展示のテーマ

古代吉備から未来へつなぐ

 比類なき繊細さと大らかさに驚かされる酒津(さかづ)出土の弥生土器。古代吉備の先進性の謎解きに一石を投じる円筒埴輪や上古刀。須恵器から発展し、室町時代初期には日本一のシェアを誇り、さらに桃山時代には美の頂点を極めた備前焼一千年に亘る系譜。古来より評価の高い備前刀や備中刀など鉄の文化の粋。寂厳、良寛に代表される精神性の高い墨跡の数々。加えて、近現代の岡山で異彩を放つ寺松国太郎、木村丈夫、河原修平といった郷土画家の作品群―。

 当館ではこれら古代吉備から現代まで受け継がれてきた吉備の歴史と文化、知恵と美にスポットを当て広く発信し、さらなる未来へとつないでいきます。

倉敷山田コレクションについて

実業家 山田眞常

 倉敷の実業家山田(やまだ)(しん)(じょう)(1914-2000)は、郷土を愛し、生涯をかけて吉備ゆかりの2,000点を超える文化財を蒐集しました。そのコレクションには、山田自らが県下一円をめぐって集めたものに加え、岡山から神戸・京都・東京に散逸していた文化財を里帰りさせたいという山田の熱意によって倉敷に戻された作品も少なくなりません。

 「文化財は財団法人を設立し、美術館において保存、長く後世に伝えると共に、広く一般に公開すべきであり、その実現こそが自身のライフワークである」と考え、昭和50年代より20数年間、「良寛・寂厳記念館(仮称)」の構想をあたためていましたが、志半ばで平成12年に死去しました。

 当財団は、山田の遺志を継いでコレクションを適宜公開し、文化振興・町づくり・観光・教育などに利活用することを目的として、2015年に設立された非営利型の一般財団法人です。